「コミュニティ/タイの/ポストコロナの」
タイの現代アーティストの映像作品オムニバス

開催日

2022年10月16日(日)


時間

①13:00〜
②17:00〜
※各回10分前開場


「一人でいること」と「コミュニティの中にいること」
本企画では、プラパット・ジワランサン(監督/アーティスト)の来日に合わせて、新旧の現代タイアーティストの映像4作品をオムニバス上映いたします。

アートにおける映像作品には、『映画でありアートでもある両義的な作品』が多く存在します。
そのような表現はタイにおいても顕著にみられ、映画監督が美術館やギャラリーで作品を発表しています。

会場であるシアターセブンの母体となる第七藝術劇場は、映画理論家のリッチョット・カニュードが1911年に著した『第7芸術宣言』(映画を、音楽、詩、舞踊、建築、彫刻、絵を総合する7番目の芸術と称した)に由来する名が冠せられた劇場です。
その劇場にて、映画/アートという線引きなく、あらためて素朴に映像芸術を鑑賞する機会をもちたいと思います。

生/性、死、労働、移民、孤独をテーマにする本映像作品は、タイ固有の文化背景を照射しながらも、広く現代社会の普遍的な問題に接続されています。
そして本企画のキュレーターが、ポスト・コロナ時代に投げかけた「新たなコミュニティの意味」に耳を傾け、私たち自身を取り巻く「コミュニティ」について再度想像する一助になればと願います。

TRA-TRAVEL


キュレーターより:グライウート・チュルポンサトーン/Graiwoot Chulphongsathorn

コロナパンデミックは、ある面で私たちがコミュニティの一部であることを気づかせ、 また他者に触れ/触れられることを欲する自己を発見させてくれる機会でありました。 反面、コミュニティの中にいることも、また不安を生みます。「一人でいること」と「コミュニティの中にいること」の二極は、日常生活における能動的な選択になってしまいました。
本企画では、この「コミュニティ」という言葉を自由に解釈し、タイの現代アート作品を、“巨匠(アラヤー・ラートチャムルーンスック)” “中堅(プラパット・ジワランサン)” “新人(ジャンジラ・シリプニョット)”という世代に分けて紹介したいと思います。
死、生/性、移動や孤独などむしろ正反対の視点から「コミュニティ」という概念をそれぞれの作家は扱っています。
ポスト・コロナ時代に、私たちは「コミュニティ」という言葉を全く違った意味で捉えはじめるのでしょう。

グライウート・チュルポンサトーン/Graiwoot Chulphongsathorn (キュレーター)


【注意】本企画で上映する《クラス》は、死体が映り込む映像作品であり、12歳以下のお子様が視聴する際、保護者の助言や指導が必要となります。了承のうえご入場ください


上映作品

『クラス』(2005/タイ/カラー/16分/ステレオ/PG-12作品)
『月の裏切り』(2012/タイ/カラー/12分/ステレオ)
『プロイ』(2020/タイ/カラー/51分/ステレオ)
『無常の海に浮かぶ』(2021/タイ/カラー/11分/ステレオ)

★各回、上映後リモートトーク予定

<登壇予定>
プラパット・ジワランサンさん(『プロイ』監督/アーティスト)
グライウート・チュルポンサトーンさん(キュレーター)
※オンラインでの出演。スクリーンに映写します


作品及びアーティストの紹介

アーティスト: アラヤー・ラートチャムルーンスック/ Araya Rasdjarmrearnsook
クラス The class(2005)PG-12 16分32秒
『クラス』(2005)は、アラヤ―自身が死者に対しレクチャーを行う映像作品です。作家はこの作品を「複雑な感情をもたらす呪いを帯びたユーモラスな作品」と呼んでいます。
月の裏切り Treachery of the Moon(2012) 12分36秒
本作は、チェンマイに住む作家が犬と暮らす自宅が写されています。
タイの文化におけるテレビドラマの感情的な意義、部屋の空間に映し出される不穏な政治ニュースなど、 異なる(コミュニティの)レイヤーが画中画的な手法で描かれています。冒頭の朗読は、14世紀アユタヤ王朝期の妃殿下のもので、国外からタイやその国民を想い、そして直接的に批判する文章から参照されています。
アラヤー・ラートチャムルーンスック(Araya Rasdjarmrearnsook)
タイにおけるビデオアートのパイオニアの一人。チェンマイ大学で教鞭をとり、タイ・チェンマイに在住。
死、女性性、動物と人間の関係性などをテーマに、第51回ヴェネツィア・ビエンナーレ、dOCUMENTA(13)など、世界の主要美術館やビエンナーレで作品を発表。
アーティスト: プラパット・ジワランサン / Prapat Jiwarangsan
プロイ Ploy (2020)51分
本作は2021年ベルリン国際映画祭で国際プレミア上映が行われ、日本初公開の映像作品。
シンガポールの「ジャングルの売春宿 」で働くタイ人移民労働者プロイの人生や多くの移民労働者の物語を描く移民労働者の手記にインスピレーションを得て作成されました。シンガポールの森や公共の公園、そしてアーティストである映画制作者がプロイの経験を掘り下げ、再訪するプロセスを経たドキュメンタリー作品。
プラパット・ジワランサン(Prapat Jiwarangsan)
タイ出身のビジュアルアーティスト。タイにおける歴史、記憶、政治の関係を、特に移住というテーマに沿って調査・表出するために、写真やビデオといった様々なメディアを使用して制作を行う。
タイ国内外の展覧会への出品の他、ベルリン国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭、EXPERIMENTA INDIAなど数多くの国際映画祭で上映される。
アーティスト: ジャンジラ・シリプニョット / Janjira Siripunyot
無常の海に浮かぶ Humans Are Floating in An Ocean of Variability (2021)10分41秒
新人の映像作家により制作された本作はパンデミックのロックダウン時に制作されました。
作家が「記憶は偶然性に富むと言われており、それ故、真実と虚偽は調和していく」と語るようにパンデミックの特異な状況化で紡がれた静かな思考の痕跡が描かれているかのようです。
ジャンジラ・シリプニョット(Janjira Siripunyot)
アラヤー・ラートチャムルーンスックが教鞭を取るチェンマイ大学のマルチディシプリナリー・アート学科で学ぶ。
タイ国外での発表は本イベントが初となる。

料金

一般:1,800円
会員:1,000円 ※要会員証提示
学生:1,000円 ※要証明書提示

※その他サービス料金は適用外
※招待券は使用不可


チケット販売

2022年9月16日(金)正午12時より、WEB及び劇場窓口にて販売開始

●インターネット販売(クレジットカード決済のみ)
お座席がなくなり次第販売終了。
上映時間の1時間前までWEB購入が可能。

<チケット販売ページ>
■10/16(日)13:00~
https://nanageitheater7.sboticket.net/reserve?schedule=7881


■10/16(日)17:00~
https://nanageitheater7.sboticket.net/reserve?schedule=7882


●劇場窓口販売(現金・paypay決済)
お座席がなくなり次第販売終了。

キュレーター

グライウート・チュルポンサトーン/Graiwoot Chulphongsathorn


主催

TRA-TRAVEL


共催

シアターセブン


助成

大阪市助成