ラジオと戦争─放送人たちの「報国」
大森淳郎(元・NHK放送文化研究所)講演会
いま大阪で考える
メディアに携わるものは どう考え、模索すべきか

開催日

2023年12月16日(土)


時間

受付開始時間 13:30
13:30開場 / 14:00開演(終演 16:30)


イベント内容

関東大震災の2年後となる1925年、国内初の放送事業が始まりました。
そして1931年の満州事変から1945年の敗戦に至るまで、戦争協力を訴える国策的な放送を行なったのが、当時唯一の放送局だった「社団法人日本放送協会」(1950年に放送法に基づく特殊法人日本放送協会、NHKとして再出発)でした。民間放送によるラジオもテレビもない時代。ラジオは国民を煽り、事実を隠し、捻じ曲げて「報国放送」を敗戦まで続けました。
あの時代の放送人たちは何を考えていたのか。
ことし6月、NHKで長くディレクターを務めた大森淳郎さんが『ラジオと戦争─放送人たちの「報国」』(NHK出版)を上梓。膨大な資料と関係者への取材をもとに浮かび上がったのは、「(局内から)ジャーナリズム思想を一掃しなければならぬ」という官僚の統制のもと国家の意思を内面化し、皇軍の一翼を担う宣伝機関(国家のチンドン屋たれ)として、全身全霊をかけて戦意高揚の職務に当たる放送人たちの姿でした。
一方でその姿は、「放送の公共性とは政府に協力し、一体となること」と考え、政府や権力者、スポンサーの意向を内面化しがちな現在のメディアとも重なってみえます。「放送報国」はいまだ消えていません。
今回の講演会では、著者の大森さんをゲストに招き、当時のラジオ、メディアの戦争責任を見つめ、放送局や報道機関が「御用メディア」に腐り果てることなく「公共メディア」として役割を果たし続けるために「いま何が必要なのか」考えます。
メディアに携わる一人ひとりが日々の仕事を見つめなおす時間になればと思います。ふるってご参加ください


出演者

書籍『ラジオと戦争─放送人たちの「報国」』(NHK出版)
著者 大森淳郎(おおもり・じゅんろう)
1957年埼玉県生まれ。1982年、東京外国語大学ヒンディー語学科卒業。同年NHK入局。富山、東京、広島、福岡、仙台の各放送局に勤務。ディレクタ-として主にETV特集を手掛ける。
おもな作品にETV特集「モリチョウさんを探して-ある原爆小頭児の空白の生涯」(1993)、ETV特集「祖父の戦場を知る」(2006)、ETV特集
シリーズBC級戦犯 第1回「『罪』に向き合う時」(2008)、ETV特集「ひとりと一匹たち-多摩川 河川敷の物語」(2009)、ETV特集 シリーズ戦争とラジオ 第1回「放送は国民に何を伝えたのか」(2009)、ETV特集「敗戦とラジオ
放送はどう変わったのか」(2010)、ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図-福島原発事故から2か月」(2011)など。
2016年からNHK放送文化研究所に研究員として勤務。2022年退職。
著書に『BC級戦犯 獄窓からの声』(日本放送出版協会、2009)、『ホットスポット ネットワークでつくる放射能汚染地図』(講談社、2012)。ともに共著。


料金

参加費:1,500円
障がい者・学生:1,000円(介助者無料)


後援

関西MIC(関西マスコミ文化情報労組会議)、民放労連近畿地連


お問合せ

放送法研究会
MAIL:broadcast.act@gmail.com


会場

シアターセブン
〒532-0024 大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ5階
TEL:06-4862-7733
MAIL:info@theater-seven.com
WEB:http://www.theater-seven.com/