東京ドキュメンタリー映画祭 in OSAKA

公式サイトhttps://tdff-neoneo.com/osaka/

主催neoneo編集室

激動の時代に対峙するドキュメンタリーが集結! 東京で話題になったプログラムをセレクト上映 みんなで選ぶ「大阪観客賞」も開催(長編・短編部門の上映作品は、お客様の投票で決まる「大阪観客賞」の対象となります)

新型コロナの影響で劇場が閉まり、映画祭の開催も危ぶまれましたが、3年目にして過去最高150本以上の応募がありました。上映作品は、戦争、オリンピック、原発事故、先住民の権利、摂食障害などテーマが多岐にわたります。撮影方法もセルフ・ドキュメンタリーからダイレクト・シネマまで様々です。特別上映では香港における民主主義の危機を、特集上映では東南アジア、南米、アフリカなどの民族誌映像を取りあげます。パンデミックによる経験したことのない激動の時代に、多様なドキュメンタリーが撮り続けられていて、映画館で上映できること自体が喜びです。昨年12月の東京での映画祭で受賞した作品、話題になった作品をセレクト上映します。ぜひ新作の数々をご覧ください。

金子 遊・佐藤寛朗(「東京ドキュメンタリー映画祭」プログラム・ディレクター)

上映作品
<長編作品>
①『なれのはて』
 3月20日13:40~/3月26日16:20~
②『東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート』
 3月21日11:00~/3月23日13:40~
③『焼け跡ダイアリー ~ツインカレンダー 双子暦記~』
 3月21日16:20~
④『パンデモニウム DieAter2』
 3月23日16:20~
⑤『傍観者あるいは偶然のテロリスト』
 3月25日11:00~
⑥『大月語』
 3月25日16:20~

<短編作品>
① “当事者たち”の告白
 3月21日13:40~/3月26日11:00~
② 日本発ダイレクトシネマ
 3月21日19:00~
③ 原子力と人間
 3月23日11:00~
④ 自然との共生
 3月24日13:40~
⑤ カメラは踊る
 3月24日16:20~

<特集 映像の民族誌>
① カナルタ ―螺旋状の夢―
 3月20日16:20~/3月24日11:00~
② ヴィジュアル・フォークロアの世界
 3月20日19:00~
③ カムイチェプ サケ漁と先住権
 3月22日11:00~
④ 人類学者たちのフィールド
 3月22日13:40~
⑤ ゾミアの秘祭
 3月22日16:20~

<特別上映>
① 香港クライシス
 3月20日11:00~/3月26日13:40~
  『中大防衛戦』
  『STAND WITH HK』
② 関西スペシャル
 3月25日13:40~
  『南京 引き裂かれた記憶』
<長編作品>
長編①
なれのはて
監督=粂田剛/2020年/126分
それぞれの事情で、フィリピンの地に暮らす日本の男たちがいる。日本で事件を起こし逃げてきた男、フィリピン女性にハマり妻子を捨ててきた男、仕事が無くなり半ばヤケになって日本を飛び出した男…。日本を捨て、常夏の国フィリピンで“第二の人生”を送ることを決めた彼らを待ち受けていたのは、どんな運命だったのか?彼らの先の見えない生活は、「生きる」とは何か、「幸福」とは何かといった問いを私たちに突き付ける。
長編②
東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート
監督=青山真也/2020年/88分
都営霞ヶ丘アパートは、1964年のオリンピック開発の一環で建てられた。国立競技場に隣接し、住民の平均年齢は65歳以上となる高齢者団地であった。単身で暮らす者が多く、住民同士で支えあいながら生活していたが、2012年7月、東京都から「移転のお願い」が届く。その背景には皮肉にも、2020東京オリンピックの開催、そして国立競技場の建て替えがあった。本作は移転を強いられた公営住宅の、2014年から2017年の4年間を記録する。
長編③
焼け跡ダイアリー ~ツインカレンダー 双子暦記~
監督=原將人/2019年/80分
2年前の本映画祭においてグランプリを受賞した『双子暦記・私小説』の映像作家・原將人の新作はその続編であり、本人のツイッターやニュースでの生々しい記憶が残っている、2018年に見舞われた自宅火災による家屋全焼時の赤裸々な記録でもある。可燃性の高い自作フィルムを救うため火傷を負った監督の執念と、共に歩む家族が描かれ、焼け跡から発掘されたもの全てが映画に姿を変えていくその様は、観る者に強烈な記憶を植え付ける。
長編④
パンデモニウム DieAter2
監督=藤本 純矢/2019年/118分
摂食障害は現在、推定患者数が20万人を超えるとされる疾患だが、その実態はあまり認知されておらず、誤った情報も多く出回っている。社会が産んだ病ともいわれるこの病について、クラウドファンディングによって企画されたのが本作だ。当事者の姿を通して社会的課題や心境を、直接知ることができる。出演者は皆、日々あなたのそばにいる大切な人たちであったかもしれない。撮影は全編iPhoneで行われた。
長編⑤
傍観者あるいは偶然のテロリスト
監督=後藤和夫/2020年/118分
20年前の生々しい紛争の記録と、現在のパレスチナ各地を歩く男の姿が交錯する。あれからパレスチナはどう変わったのか。あの時の若者は今何を語るのか。そこに見たのは、今なおも続く占領と抑圧の実態だった。700キロにも及ぶ分離壁がイスラエルとパレスチナを分断する不気味な光景。過去と現在をさまよう主人公。世界は、そして私たちは“傍観者”のままでいいのだろうか。映画の問いかけは、重く私たちに響いてくる。
長編⑥
大月語
監督=濱田公望/2020年/78分
四国西端で移ろう四季の風景や刻々と変わる海の表情に、言い伝えや祭礼、開拓民の歴史や越境する若者を重ね、さらには、ダンサーや音楽家を近未来から招き、言葉にならない土地の「語(り)」を探す。ウイルスにより人と人との繋がりが危機にさらされる今だが、この土地はそうした流れから捨て置かれたのではないか。そのようにも感じられる大月町の「地底から遠未来」を、無作為にダイブするタイムマシンの感覚で捉えていく映像詩的作品。
<短編プログラム>
短編①
“当事者たち”の告白
『あなたの瞳に話せたら』監督=佐藤そのみ/2020年/29分
『I Am Here ―私たちはともに生きているー』監督=浅沼智也 /2020年/60分
ドキュメンタリーに特有の「当事者だから撮れる映像」。その意味と力が考えられるプログラム。石巻市立大川小学校の津波被害で妹を亡くした監督が、生き残った同級生と共に「手紙」を用いてメッセージを伝える『あなたの瞳に話せたら』と、性同一性障害者が性別を変更できる「GID特例法」の施行後も、その要件を満たせずに苦しむ当事者の想いを、監督自身の体験を交えて描いた 『I Am Here ―私たちはともに生きているー』の2本を上映。
短編②
日本発ダイレクトシネマ
『炉』 監督=荒木悠/2019年/16分
『有酸素ナンパ』 監督=トモトシ/2019年/31分
『想像』監督=太田信吾/2020年/54分
釧路の老舗炉端焼き屋で、具材が焼かれる過程と焼き手の所作を緻密に描いた荒木悠の『炉』。いわゆる「ナンパ」を“技術的に高度なコミュニケーション”と再定義し実践することで、都市と人間、都市における人間同士の関係性を問い直すトモトシの『有酸素ナンパ』。チェルフィッチュ岡田利規の代表作「三月の5日間」の再上演の過程にカメラが密着する太田信吾の『想像』。日本のダイレクトシネマは、令和の時代に何を見つめる!?
短編③
原子力と人間
『被爆死した米兵を追って』監督=谷井健吾/2020年/26分
『我が友・原子力~放射能の世紀』 監督=渡辺謙一/2020年/57分
原子力を“放射能により人体に有害な影響を及ぼすもの”として、被害の実相に切り込んだ2作。『被爆死した米兵を追って』では、被爆当事者の調査でその存在が明らかになった、原爆で犠牲となった捕虜米兵の物語を追う。劇場初公開の『我が友・原子力』は、『天皇と軍隊』の渡辺監督が、戦後、平和利用と被曝被害の狭間で揺れてきた原子力の歴史を“放射能”を切り口に再構成し、人類にとって「核とは何か」を改めて問いかける。
短編④
自然との共生
『多摩川の野良猫写真家』監督=長谷夏帆/2020年/11分
『私たちの山』監督=孫天宇/2020年/21分
『THE LIMIT』監督=今津秀邦/2020年/20 分
『セーブ・ザ・リーフ~行動するとき~』監督=島崎誉主也 /2020年/50分
多摩川の河川敷で、捨てられた野良猫の実態を伝えるカメラマン・小西修に密着した『多摩川の野良猫写真家』。三重県と北海道で今なお息づく猟師の生活を民俗学的に考察した『私たちの山』。観光開発が進む知床で、ヒグマと人間の生活境界線が近づく危機を描く『THE LIMIT』。サンゴの白化による死滅の危機を食い止めるべく行動する人々を描いた『セーブ・ザ・リーフ~行動するとき~』。人間にとって、自然と共生することとは何か!?
短編⑤
カメラは踊る
『時と場の彫刻』 監督=歌川達人/2020年/8分
『メランコリア』 監督=岩名雅記/2020年/5分
『大野一雄三部作 光への四つの道』 監督=ヴィルジニー・マーシャン/2020年/69分
プノンペンを拠点に活動するカンボジア系アメリカ人ダンサー、プラムソダム・オックに歌川達人が向き合う『時と場の彫刻』。フランス在住の舞踏家/映画作家・岩名雅記が長年撮りためた素材を用い、ドキュメンタリーとフィクションの「あわい」に迫る『メランコリア』。さらにはジョナス・メカス追悼として、映像作家・ダンサーのV・マーシャンが100 歳の大野一雄と踊り、本人とさらにメカスらが撮影した奇跡の作品を上映。
<特集 映像の民族史>
特集①
カナルタ ―螺旋状の夢―
監督=太田光海/2020年/120分
セバスティアンとその家族は、エクアドルのアマゾン熱帯雨林に暮らすシュアール族。口噛み酒を飲み交わし、森で狩猟採集し、薬草や覚醒植物がもたらすヴィジョンや夢を通じて世界を理解しようとする。監督は1年以上にわたるフィールドワークで家族と親密な関係を築き、セバスティアンから伝統的実践を教わるなかで、シュアール族が直面する現代的な試練を知るようになる。
特集②
ヴィジュアル・フォークロアの世界
『デヴォキ~神に捧げられた女たち~』 監督=弘理子/2019年/76分
『説経浄瑠璃 三代目・若松若太夫 一声二節のわざ』監督=遠藤協/2020年/17分
『デヴォキ』は、ヒマラヤ山麓のヒンドゥー教徒がさまざまな祈願の代償に、幼い少女を「神の嫁」として寺院に捧げる奇習を取材。世俗的な結婚が許されず、寺院娼婦など数奇な生を送る女性の姿を描き、ネパール社会のタブーに切りこむ。『廻り神楽』の監督が三味線の弾き語りの世界に迫る『説経浄瑠璃 三代目・若松若太夫』を併映。北村皆雄が率いる映像民俗学の拠点の、次世代作家たちを特集する。
特集③
カムイチェプ サケ漁と先住権
監督=藤野知明/2020年/93分
かつてアイヌは自由に鮭をとり主食にしていたが、明治以降は政府に規制されてきた。紋別アイヌの畠山さんは伝統儀礼カムイチェプノミをするため、北海道の行政に無許可で川の鮭を捕ろうとする。役人と警察が思い止まらせようと揉みあうが、彼の意志はかたく、各地のアイヌも支援に駆けつけて…。ひとり先住民の権利のために闘う畠山さんの姿に、心を動かされずにいられない。
特集④
人類学者たちのフィールド
『アッバ・オリの一日』監督=松村圭一郎/2020年/36分
『プティー ジャライ族の墓放棄祭』
『うしろめたさの人類学』の著者である文化人類学者・松村圭一郎が、20年以上通うエチオピアの農村を撮った『アッバ・オリの一日』。足を悪くした村の長老が、サルや虫や子どもたちに囲まれて過ごす「老いの風景」を映しだす。『プティー』は、ヴェトナム中部高原のジャライ族が、夜通しで水牛の供犠、ゴングの演奏、精霊の踊りをおこなう祭礼を記録した稀少な民族誌映像。
特集⑤
ゾミアの秘祭
『ナガのドラム』監督=井口寛/2019年/66分
『アルナチャール人類博覧会』監督=金子遊/2020年/20分
インドとミャンマーにまたがる山岳地帯に暮らし、独特の歌唱法や華美な民族衣裳で知られるナガ族。彼らが森で巨木を切り倒して成形し、引き綱で運び、ドラムの完成を祝した祭りをする様を撮った『ナガのドラム』。中印の国境紛争地帯で、インド観光局がナガ族やモンパ族を集めた文化フェスティバルを催すが、そこに21世紀的な人間動物園のあり方を見る『アルナチャール人類博覧会』を併映。
<特別上映>
特別①
香港クライシス
『中大防衛戦』監督=カン・シンカイ/2020年/ 86分
『STAND WITH HK』監督=堀潤/2020年/25分
激動の香港情勢を、香港と日本の独立系ジャーナリストがそれぞれとらえた2作を特別に上映。『中大防衛戦』は、2019年11月12日に名門・中文大学で起きた警察の不法侵入事件の一部始終を、地元の映像作家が記録した作品。催涙弾が乱れ飛ぶ中、キャンパスに篭城し応戦する学生たちの迫力ある姿を描く。堀潤の新作『STAND WITH HK』は、民主化デモの最前線にカメラを向け、警察の弾圧に向き合う香港の若者たち一人一人の声に丁寧に耳を傾ける。
特別②
南京 引き裂かれた記憶
監督=武田倫和/2009年/85分
80年以上が経っても「南京事件」はさまざまな論争の的となっている。社会運動家の松岡環を中心に、10年という月日をかけて「大虐殺」の関係者数百名を取材し、そのなかの被害者7人、加害者の元日本兵6人が証言する映像を集めた労作。被害者が持つ虐殺や強姦などの忌まわしい記憶と、加害者の日本兵たちの開き直った態度に、絶望的な裂け目が露呈する。大阪限定のプログラムとして、地元在住の武田倫和監督の作品を上映する。
舞台挨拶
各回、監督による舞台挨拶あり。
詳細は公式サイトの舞台挨拶情報をご覧ください。
→公式サイト
上映は終了しました
チケット販売について
3/14(日)より、全日程のチケットをWEB・窓口にて販売しております。
※3回券は窓口のみでの販売となります。
上映スケジュール
2021年
3/20(土)
11:00特別①
香港クライシス
→チケット購入
13:40長編①
なれのはて
→チケット購入
16:20特集①
カナルタ ―螺旋状の夢―
→チケット購入
19:00特集②
ヴィジュアル・フォークロアの世界
→チケット購入
3/21(日)11:00長編②
東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート
→チケット購入
13:40短編①
“当事者たち”の告白
→チケット購入
16:20長編③
焼け跡ダイアリー ~ツインカレンダー 双子暦記~
→チケット購入
19:00短編②
日本発ダイレクトシネマ
→チケット購入
3/22(月)11:00特集③
カムイチェプ サケ漁と先住権
→チケット購入
13:40特集④
人類学者たちのフィールド
→チケット購入
16:20特集⑤
ゾミアの秘祭
→チケット購入
3/23(火)11:00短編③
原子力と人間
→チケット購入
13:40長編②
東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート
→チケット購入
16:20長編④
パンデモニウム DieAter2
→チケット購入
3/24(水)11:00特集①
カナルタ ―螺旋状の夢―
→チケット購入
13:40短編④
自然との共生
→チケット購入
16:20短編⑤
カメラは踊る
→チケット購入
3/25(木)11:00長編⑤
傍観者あるいは偶然のテロリスト
→チケット購入
13:40特別②
南京 引き裂かれた記憶
→チケット購入
16:20長編⑥
大月語
→チケット購入
3/26(金)11:00短編①
“当事者たち”の告白
→チケット購入
13:40特別①
香港クライシス
→チケット購入
16:20長編①
なれのはて
→チケット購入
WEBチケットについて
料金
一般1,300円
シニア1,100円
学生1,000円
小学生以下700円
会員1,000円
★お得な3回券:3,300円(複数名利用可)
劇場窓口にて販売中。
※3回券はWEBチケット購入では使用できません。窓口にて購入・座席の指定をお願いいたします。
★その他 劇場規定の割引適用あり
※ただし水・金サービスデーは適用外
※特別興行のため劇場招待券は使用不可
★入場システム、サービスデー・その他割引