特集上映&避難者トーク企画
「3.11を改めて考える~原発問題を中心に~」
第3回:海外とつながり、海外に学ぶ

開催日

2022年1月22日(土)


時間

17:15開場/17:30開演


タイムテーブル

・17:30~開会あいさつ:森松明希子さん
・17:35~映画『パレスチナからフクシマへ』上映
・18:35~避難者からの一言:蓬田仁さん(福島県郡山市から兵庫県に避難)他
・18:50~土井敏邦監督リモートトーク、Q&A


イベント概要

2011年3月11日に発生した東日本大震災より10年が経ちます。
ここ関西でも、多くの避難者を受け入れ、被災地支援・避難者支援・脱原発など、様々な活動が展開されてきましたが、いまだ明らかにならない問題も多いまま、原発問題・避難者への対策・被ばく対策など、不十分なまま、風化が進んでいます。

3.11関連の映画・映像作品も数多くとられましたが、十分に観る機会がないままの作品も多い状況です。
10年という節目に原点に立ち返り、被災者・避難者の声に耳を傾けながら、作品をみて考える特集上映を継続して行っていきます。

各回上映後には、監督や出演者をはじめゲストをお迎えしてのトークも、リモートを活用しながら開催予定です。

<協力:東日本大震災避難者の会 Thanks &Dream (代表:森松明希子)、311特集上映実行委員会>

※第1回:2021年3月13日(土)・14(日)開催
https://www.theater-seven.com/ev/ev_s210313.html

※第2回:2021年12月11日(土)開催
https://www.theater-seven.com/ev/ev_s211211.html


上映作品

パレスチナからフクシマへ
(2018年/土井敏邦監督/56分)
2014年10月、土井監督がパレスチナの人権活動家ラジ・スラーニ氏を日本に招き、福島県飯館村を案内し撮影した映像を、2018年に完成させたドキュメンタリー

イスラエル建国で故郷を追われ、空爆や砲撃で家と家族を失ったガザのパレスチナ人は、原発事故で故郷を追われた“フクシマ”に何を観るのか。
<作品選定について>
1985年から30年以上パレスチナ・イスラエルに取材を続けてこられ、さらに311後は福島に通い続けてこられた土井監督だからこそ撮影・制作することができた異色のドキュメンタリーです。

「ガザに生きる」「異国に生きるー日本の中のビルマ人ー」「福島は語る」など、これまでも人間を通して社会問題を浮き彫りにしてきた土井監督ですが、この映画では「イスラエル建国で故郷を奪われたパレスチナ人が、原発事故で故郷を奪われたフクシマを、どう見るのか、何を感じ取るのか知りたかった」と監督自ら製作意図を語られています。

撮影から7年以上の年月がたち、登場されている方の中には帰らぬ人となられているもおられる今だからこそ、この映画をみて、2014年当時の福島の人達の思いや経験されてきたことを、あらためて胸に刻みたいと思います。

同時に、ラジ・スラーニ氏の言葉は、福島原発事故で被害を受けたすべての日本人へのメッセージでもあると思いますので、今回映画を通して皆さまと共有し、さらに土井監督のお話も聞きながら考える場にできればと思います。

<ラジ・スラーニ氏紹介>
1953年、ガザ生まれ。パレスチナを代表する人権活動家
1977年、エジプトの大学を卒業後、弁護士となり、イスラエル占領下のパレスチナで、民族解放運動に参加。
イスラエル占領当局に五年近く逮捕・勾留され、拷問を受けた。
1995年、パレスチナ人権センターを設立し、代表として人権擁護の活動を続ける。 その活動は、国際的に高く評価され、ロバート ケネディ人権賞(1991年)、フランス人権賞(1996年)、ライト・ライブリフット賞(2013年)などを受賞。

<映画に登場される福島の方々>
杉下初男さん、長谷川健一さん、長谷川花子さん、菅野哲さん、吉野裕之さん、佐藤健太さん

登壇者プロフィール

土井敏邦 監督

1953年佐賀県小城市牛津町生まれ。

学生時代に、一年半アフリカ・アジアを放浪し、イスラエルのキブツのあと、ガザ地区の難民キャンプを訪ね、衝撃を受け、パレスチナ問題に関わる契機となった。

1985年から、フリージャーナリストとして、パレスチナ・イスラエルの取材を開始する。
翌年ラジ・スラーニ氏と出会い、以来友人として、パレスチナ問題の師としての付き合いが続く。
1993年から映像取材も開始。
戦争や暴動・銃撃・暴動などの「直接的暴力」ではなく、「人間が人間らしく、尊厳をもって生きていく、その生活の基盤を組織的に破壊していく」構造的暴力を描こうという姿勢を貫いている。同時に「問題」ではなく、「人間」を描き、心を動かすドキュメンタリーを目指している。

映像の代表作
◇「ガザに生きる」(全5部作)(2015年)
ガザの民家に滞在し、人々の生活を定点観測で取材し、パレスチナ人指導者にも多数インタビューした四半世紀以上の映像を、集大成としてまとめたもの。
パレスチナを代表する人権活動家で弁護士のラジ・スラーニ氏の解説つき。
英語版もあり、パレスチナ現代政治史の資料として、欧米諸国の大学等でも評価されている。
この作品で2016年大同生命地域研究特別賞受賞。同賞選考委員会より、「日本を代表するドキュメンタリー記録映画監督」と評価される。

◇「沈黙を破る」(2009年)
イスラエルの反戦兵士の会の人達を取材したもの。
ドキュメンタリー映像シリーズ「届かぬ声ーパレスチナ・占領と生きる人びと」(全4部)の第4部として作られるが、単独の作品として、注目され、石橋湛山記念・早稲田ジャーナリズム大賞など受賞。キネマ旬報文化映画ベストテン第1位 この作品公開後イスラエル政府からプレスカード発給を拒否され、5年間、イスラエル側からガザに入れなくなった。2014年にラジ・スラーニ氏を日本に招聘、現在もパレスチナ問題を日本に伝えるための活動を続けている。
2021年12月に「沈黙を破る」の続編で、これまでの集大成ともいえる「沈黙を破る PART2」を完成させる。
(3時間55分の完全版以外に、2時間48分の劇場版『愛国の告白―沈黙を破る・Part2―』を2022年1月に完成させる)

◇「福島は語る」(2018年)
2014年福島原発告訴団の被害者証言集会にいったことがきっかけで、証言映画「福島は語る」をとろうと決意。「チェルノブイリの祈り」に示唆を受け、約80人の被災者に取材し、四年の歳月をかけて完成。
文化庁映画賞 文化記録映画優秀賞 受賞
被災者たちが、心の奥底に閉じ込めていた思いを伝えるために、「福島は語る・Part2」完成を目指して、福島取材に通っている。

◇「“私”を生きる」(2010年)
急速に「右傾化」が進む東京都の教育現場で、自分が自分であり続けるために[教育の統制]の巨大な流れに抗い、“私”を貫く三人の教師達を描いたもの。
キネマ旬報文化映画ベスト・テン第2位

著書
主な書著に『占領と民衆―パレスチナ』(晩聲社・1988年)、『アメリカのユダヤ人』(岩波新書・1991年)、『アメリカのパレスチナ人』(すずさわ書店・1991年)、『「和平合意」とパレスチナ』(朝日選書・1995年)、『パレスチナの声、イスラエルの声』(岩波書店・2004年)など。、

社会活動
2016年9月「危険地報道を考えるジャーナリストの会」の発足にかかわり、世話人の一人となる。

土井敏邦WEBコラムで発信を続けている。
http://www.doi-toshikuni.net/j/column/index.html

森松明希子さん

福島県在住中に東日本大震災及び福島原子力惨禍に被災。
0歳と3歳の2児を連れて大阪へ母子避難。
東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream(サンドリ)を主宰。
原発賠償関西訴訟原告団代表、原発被害者訴訟原告団全国連絡会共同代表、を務める。 国内外で講演を続け、災害による被災者・避難者・原発事故被害者の人権について訴える。
2018年スイス・ジュネーブの国連人権理事会にてスピーチ。
参議院東日本大震災復興特別委員会に参考人として招聘され、被災当事者として陳述を 行う。
2019年3月フランス・イギリス・ドイツ・ベルギーで訴える。
2019年10月31日「黒田裕子賞」受賞
著書に『母子避難、心の軌跡』(かもがわ出版、2013年)、『災害からの命の守り方ー 私が避難できたわけー』(文芸社、2021年)
共著:「3.11避難者の声 当事者自身がアーカイブ」など。

蓬田仁さん

福島県郡山市から、当時小学生と中学生のお子さんを連れて、2011年7月に避難。
途中家族は長野県松本市を経由して、2012年1月に兵庫県に一家で落ち着く。 生まれは福島県川俣町(飯舘村の隣町)
週末には、地域の人と田畑を耕したり、様々な社会的テーマの映画を観たり、311を経験したことで、以前とは興味の対象が180度変わられたそうです。
原発事故が起きた後の日本に生きる未来世代への責任を感じ、頼まれれば、経験談を話されています。


料金

一般:1,500円
シニア:1,200円
学生・会員:1,000円
1/10(月祝)9:00から販売開始

●インターネット販売(クレジットカード決済のみ)
1/10(月祝) 朝9時~下記URLにて販売開始。
但し、お座席がなくなり次第販売終了。
当日券は、残席があった場合のみ、当日開館時間より窓口にて販売。
→チケット販売ページはこちら
https://nanageitheater7.sboticket.net/reserve?schedule=5050


●劇場窓口販売(現金・paypay決済)
1/10(月祝) 当館開館時間より販売開始。最終作品上映開始30分後まで販売。
但し、お座席がなくなり次第販売終了。
当日券は、残席があった場合のみ、当日開館時間より窓口にて販売。


会場

シアターセブン
〒532-0024 大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ5階
TEL:06-4862-7733
MAIL:info@theater-seven.com
WEB:http://www.theater-seven.com/